住宅ローンの支払いが滞った時に、金融機関では抵当権を行使することで担保となった不動産を競売にかけ、債権の回収を行ってきました。
しかし、最近では任意売却を勧める金融機関も増えているのですが、実は競売と比較した場合には問題点もあるのです。
任意売却を行う場合の問題点とは、どのようなことでしょうか？
■任意売却を行う際の問題点は？
任意売却というのは、住宅ローンが支払えない場合にその負債を清算するために行うものです。
任意売却を勧める金融機関も増えているのですが、実は任意売却にはいくつかの問題点があります。
任意売却を行う際の問題点としては、まず住宅ローンの担保となっている不動産を売却するので、滞納してからでなければ行えないという点があります。
そのため、売却する頃には信用情報機関のブラックリストに掲載されてしまい、クレジットカードの作成や金融機関からの借り入れが難しくなる可能性があります。
また、任意売却を行う際は、残っている住宅ローンの債務よりも安い価格で売却することになる可能性があります。
そのため、売却する際には債権者から同意を得なければいけません。
住宅ローンには保証人が要ることも多いのですが、住宅ローンを滞納した場合は保証人に連絡が行く可能性があります。
この時に、保証人が滞納分を支払ってしまうと任意売却ができなくなるため、必ず連絡して同意を取り付けておく必要があります。
また、任意売却の場合は買い取り先を見つけなければいけないのですが、もしも見つからない場合は結局競売にかけられてしまう可能性があります。
任意売却は時間が限られているため、間に合わないことがあるというのも問題点です。
任意売却にはこういった問題点がありますが、問題点ばかりというわけでもありません。
■任意売却は問題点ばかりではない
任意売却には様々な問題点がありますが、それでもなぜ任意売却を行うかといえば、問題点しかないというわけではないからです。
任意売却の場合、競売と比較すると市場の相場に近い価格での売却が可能となるので、残債務が残りにくくなります。
また、競売の場合は残債務について一括返済が求められるので、自己破産をする人も増えます。
しかし、任意売却の場合は分割返済が認められるので、無理のない範囲での支払いが可能となります。
また、競売であれば強制的に売却されてしまうのですが、二に売却の場合は買主との交渉で引っ越し日時を調整したり、毎月家賃を払うことでその家に住み続けたりすることも可能となります。
任意売却にはこうしたメリットがあるので、問題点があっても任意売却を選ぶ人は少なくないのです。
■まとめ
住宅ローンの支払いが滞った場合、担保に設定した不動産が競売にかけられてしまうのが一般的ですが、任意売却という選択肢もあることを覚えておきましょう。
ただし、任意売却には問題点もあるので、自分の状況には任意売却のほうがいいかどうかはわかりません。
任意売却の問題点を踏まえたうえで、専門家と相談するなどしてどうするべきかを決定するようにしましょう。
